
雨漏りは屋根から起こるものと思われがちですが、実はバルコニーが原因となっているケースも少なくありません。バルコニーは構造上、よく似たベランダよりも雨漏りのリスクが高いとされています。そのため雨漏りの兆候を見つけたら、早めの対処が重要です。
本記事では、バルコニーとベランダの違いをはじめ、バルコニーにおける雨漏りの兆候、雨漏りの応急処置方法などについて解説します。バルコニーの雨漏りにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- バルコニーは、屋根のあるベランダに比べて雨漏りの発生リスクが高い傾向にある
- バルコニーが雨漏りをする原因には、防水層やコーキングの劣化、排水口の詰まりなどが挙げられる
- 雨漏りを解決するには、原因に合わせて防水工事やコーキング修理、排水口掃除などを行う必要がある
バルコニーの方が雨漏りしやすい?ベランダとの違いをチェック

「そもそも、自宅にあるのはバルコニー?それともベランダ?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。まずは、バルコニーとベランダの違いについてご紹介します。
バルコニーとベランダは、どちらも2階以上にある屋外スペースですが、屋根の有無に違いがあります。一般的には、屋根があるものがベランダ、ないものがバルコニーです。例外として、建物の内側に造られたインナーバルコニーというものもありますが、バルコニーという場合は屋根のない屋外スペースを指すケースが多いです。
バルコニーの方が雨漏りしやすい理由
同じ屋外スペースでも、バルコニーは屋根がないため屋根のあるベランダよりも雨や紫外線の影響を受けやすく、雨漏りしやすいとされています。
雨や紫外線に長期間さらされると、コーキングや防水層、笠木などが劣化しやすくなり、結果として雨漏りが発生しやすくなります。もちろん、ベランダも屋外のスペースであるため雨漏りのリスクがありますが、バルコニーの場合はより注意が必要です。
これって雨漏り? バルコニーの雨漏り兆候サインをチェック

雨漏りの原因がバルコニーにあるかどうかを確かめたいときは、以下のポイントをチェックすることが大切です。
- バルコニーの床・腰壁
- バルコニーの軒天
- バルコニー下の部屋の天井・壁
- 笠木
- 排水口周辺
ここからは、それぞれのチェックポイントについて詳しく解説します。
バルコニーの床・腰壁
まずはバルコニーそのものの床や腰壁をチェックしてみましょう。床面や壁面にひび割れが入っている、壁面の継ぎ目や笠木と壁の隙間に充填されているコーキング剤が剥がれているといった場合は、雨漏りしている可能性があります。
バルコニーの軒天
軒天とは、外壁からせり出している部分(軒)の裏側です。バルコニーでいうと床の裏側に当たります。階下の部屋から上を見たときに、軒天に染みや変色、コケなどが見られた場合、雨漏りしている可能性があります。
軒天はバルコニー側からは見えないため、状態の変化を見逃しやすく、雨漏りに気付くのが遅れてしまうケースも多いです。
バルコニー下の部屋の天井・壁
バルコニーの真下にある部屋の天井や壁に染みが浮き出てきたり、クロスに剥がれやたわみ、浮きなどが見られたりする場合、雨漏りしている可能性があります。
天井に雨漏りの兆候が現れると、屋根に原因があると考えがちですが、上にバルコニーがある場合には、バルコニーが原因となっている可能性が高いです。
笠木
笠木とは、腰壁の上にかぶせられている仕上げ材です。
笠木は家の外観のデザイン性を高めるために用いられますが、バルコニーの場合はさらに雨垂れや腰壁の劣化を防止する役割も担っています。そのため、笠木が劣化すると腰壁の内部に雨水が浸入しやすくなり、バルコニーから雨漏りが発生する原因の一つとなるのです。
笠木が劣化しているかどうかは、コーキングの劣化やビスの緩み、サビなどをチェックすれば、ある程度は判断が可能です。ただし、笠木に覆われた部分の腐食や劣化は部材を取り除いてみなければ分からないため、専門業者に頼んでメンテナンスしてもらう必要があります。
排水口周辺
バルコニーには、雨水を雨どいへ流すための排水口(ドレン)が設けられています。
この排水口が詰まると雨水がスムーズに流れず、バルコニーの上に雨水が滞留して雨漏りの原因になることがあります。
ドレン周辺に雨染みができている、ドレンの真下の軒天(排水管との接続部)に染みがある、ドレンの入口にごみがたまっているなどの症状が見られたら、雨漏りしている可能性があるでしょう。
バルコニーから雨漏りする主な原因
バルコニーから雨漏りが起こる主な原因は、大きく分けて3つあります。原因によって修理方法や対策が変わるため、どのような理由で雨漏りが発生しているのか把握しておきましょう。
1. 防水層の劣化
バルコニーからの雨漏りの原因のうち、特に多いのが防水層の劣化です。バルコニーでは新築時に防水工事が施されますが、長期間にわたって紫外線や雨水にさらされると、防水層の経年劣化が進んで雨漏りが発生してしまうのです。
防水層の寿命は、使用されている素材によって異なるものの、おおむね5~10年が目安とされています。ただし、バルコニーの使い方によっては、劣化の進行スピードが早くなるケースもあります。例えば、バルコニーを物干し場やガーデニングなどに使っている場合、人の出入りが多くなるので防水層の磨耗が早く雨漏りが発生しやすくなるでしょう。
またバルコニーは屋根がないため、同じ防水層を施したベランダよりも劣化が早い傾向にあります。
2. 排水口の詰まり・不具合
バルコニーの排水口には、異物の侵入を防ぐためのカバー(ストレーナー)が付いています。しかし、雨水と一緒にほこりやごみ、土砂、砕けた落ち葉などが流れると、詰まりが発生する場合があります。
また排水口自体の劣化にも、注意が必要です。排水口は耐水性の高い素材で造られていますが、経年劣化するとサビや腐食が発生します。その結果、変形したり、割れたりすることがあります。
古くなった排水口は排水機能が低下し、詰まりを引き起こしやすくなるため、補修や交換が必要です。
3. コーキングの劣化
腰壁や笠木、バルコニーに出る窓の枠などに施されたコーキングの寿命は、一般的に5~10年といわれており、徐々に経年劣化が進んでいきます。特にバルコニーは雨や紫外線の影響を受けやすいので、コーキングの劣化が早まる可能性があります。
コーキングの劣化は、ひび割れや剥がれといった形で現れるため見分けは付きやすいでしょう。ただし、コーキングの内側や裏側に亀裂が発生している場合、見た目だけでは劣化の判断が付かないこともあります。
修理業者が来るまでにやっておきたい応急処置
バルコニーからの雨漏りに気付いたら、被害の拡大を防ぐために、できる範囲で応急処置を施しましょう。ここでは、修理業者が来るまでにやっておきたい応急処置を3つご紹介します。
1. 排水口を掃除する
雨漏りの原因が排水口の詰まりにある場合、排水口の周辺を掃除するだけで症状が改善する場合もあります。排水口掃除の基本的な手順は、以下の通りです。
- 排水口やその周辺にある大きなごみを取り除く
- ストレーナーを外して、入口部分にたまったごみを取り除く
- 重曹とクエン酸、ブラシなどを使って、こびりついた汚れを落とす
- ワイヤーブラシを使って奥の詰まりを取り除く
- 排水口に水を流して、詰まりが解消されたかを確認する
ストレーナーは多くの場合、素手またはマイナスドライバーなどを使って持ち上げれば簡単に取り外せます。ストレーナーが排水口に固定されている場合は、使い古しの歯ブラシなどを使って隙間から掃除しましょう。
なお、自分で掃除しても詰まりが解消されない場合は、手が届きにくい排水管にひび割れなどの不具合が発生している可能性があります。またワイヤーブラシでも届かない場所に詰まりが生じている場合は、高圧洗浄などの特別な処置が必要になるかもしれません。
ある程度自分で対処しても症状が改善されない場合は、専門業者に依頼して必要な補修や交換を行ってもらいましょう。
2. バケツ・吸水シートで対応する
バルコニーの雨漏り被害が階下の部屋にまで及んでいる場合は、水滴が落ちる場所にバケツや吸水シートを設置して被害を防ぎましょう。バケツの底にタオルや雑巾などを敷いておくと、水滴が落ちてきたときの水はね防止になります。
3. 防水テープで塞ぐ
雨漏りしている箇所が分かっている場合は、防水テープでその部分を塞ぐ方法もあります。
防水テープはその名の通り、高い防水性を誇っているため、雨漏りの被害を一時的に食い止められる可能性があります。使い方も簡単で、該当箇所の水気やごみをタオルなどでよく拭き取った後、隙間なくテープを貼るだけで完了です。
防水テープはホームセンターやインターネット通販などで手軽に入手できるため、すぐに応急処置ができます。ただし、防水テープはあくまで被害を一時的に防ぐための手段です。根本的な解決にはならないため、テープで応急処置をして被害を抑えている間に、専門業者へ修理を依頼しましょう。
バルコニーの雨漏りを解決するための対処方法
バルコニーの雨漏りを根本的に解決するための方法は、大きく分けて3つあります。どの方法で修理するかは原因によっても異なるため、専門業者に調査依頼をして、原因を特定した上で修理することが大切です。
ここからは、バルコニーの雨漏りを解決する修理方法をご紹介します。
1. 防水工事
防水層の劣化が見られる場合は、新たに防水工事を行い、防水層を再形成する必要があります。防水工事の基本的な流れは、以下の通りです。
- バルコニーの表面を掃除し、必要に応じて劣化部分を補修する
- 下地全体にプライマー(下地材)を塗る
- 床と腰壁の継ぎ目にコーキングを充填する
- 防水層を形成する
- トップコート(仕上げ材)を塗り、乾燥させる
なお、4の防水層を形成するための工法は、使用する素材によって大きく以下の3つに分類されます。
- ウレタン防水
- FRP防水
- シート防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂を使って行う防水工事です。ウレタン樹脂は柔軟性に優れているため、バルコニーの形状を問わず施工できることや、継ぎ目のない防水層を形成できる点がメリットです。
一方で厚みにムラが出たり、気泡が生じたりしやすいため、専門業者の施工技術によって仕上がりに差が出る可能性があります。
FRP(繊維強化プラスチック)防水は、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂を組み合わせた防水工事です。FRPは軽量であるにもかかわらず強度や耐酸性、耐衝撃性に優れているという性質があり、建物への負荷を軽減しながら頑丈な防水層を形成できる点がメリットです。
一方で、硬化した後の伸縮性が低く、大きな地震が起こった場合にひびが入りやすいことや、紫外線にやや弱いというデメリットがあります。
シート防水は、塩化ビニルやゴムで造られたシートを使って行う防水工事です。他の防水工事に比べると短期間で施工でき、コストを安く抑えられる、天候に左右されにくいといったメリットがあります。
ただし、シートという性質上、複雑な形状に対応しにくいことと、経年劣化によって穴が開いたり剥がれたりするデメリットもあります。
このように、同じ防水工事でも工法によって特徴が異なるため、ご自身の希望や目的に合った工法を選ぶことが大切です。
2. コーキング修理
コーキングに亀裂や剥がれが生じている場合は、コーキングの増し打ちまたは打ち替えを行います。既存のコーキングの上から充填する、増し打ちの方が簡単で安価ですが、雨漏りが発生している場合は劣化がかなり進んでいる可能性が高いため、打ち替えを検討した方がよいでしょう。
打ち替えの場合、既存のコーキングを剥がしてから新しいコーキング剤を充填します。
3. 下地処理・塗装工事
笠木の下や腰壁自体が劣化している場合、下地処理や塗装工事が必要になることがあります。具体的な下地処理としては、ひび割れの補修やコーキングの打ち替え、外壁(腰壁)の交換などがあります。
また下地まで劣化しているケースでは塗装の劣化も進んでいるため、塗り替えも同時に行われるのが一般的です。
バルコニーが雨漏りする原因を特定して適切な対処を行おう
バルコニーが雨漏りする原因には、防水層の劣化や排水口の詰まり、コーキングの劣化などが挙げられます。原因によって対処方法は異なるため、まずは雨漏りの発生箇所と原因を正確に把握することが大切です。
雨漏りの原因は、バルコニーの床や腰壁、軒天、排水口などをチェックすればある程度は推測できます。ただし、目に見えない部分が劣化しているケースもあるため、専門業者に点検・修理を依頼した方がよいでしょう。
雨漏りねっとでは、無料で調査技術者による調査・診断を実施しています。雨漏りの原因を徹底調査した上で、適切な修理方法をご提案します。施工方法も応急処置からシーリング工事、防水工事、壁面防水工事と幅広く対応しているため、さまざまな雨漏りに関するお悩みを解決可能です。
バルコニーからの雨漏りにお困りの方は、ぜひお気軽に雨漏りねっとまでご相談ください。